子宮内膜症と不妊について

2009年9月27日

産婦人科の診療のなかで、子宮内膜症に関係するものは最も難しいものの1つです。
その最大の理由として、この病因の解明が未だ充分とはいえず、ほとんどが学説の領域のまま今日にいたつているからです。しかし、日常診療においては、生理 痛を訴える患者さん非常に多く、その原因の解明がないまま、対症的に強い鎮痛剤を処方したり、注射で無月経にする例が少なくありません。また、子宮内膜症 の発症が、ホルモン依存症であるという考えにより、異所性に増殖した内膜組織の非活性化を目的としたホルモン療法が主流となつています。子宮内膜症への対 応という点では、疼痛対策と不妊治療という、全く別な目的が臨床上問題となります。疼痛対策としては、鎮痛剤の応用から手術療法まで可能であるが、子宮内 膜症が原因と思われる不妊症に対しては、薬物療法はほとんど期待できなく、腹腔鏡下の卵管周辺の癒着剥離が唯一の妊娠が期待できる術式と考えられていま す。不妊症患者さんにまず腹腔鏡で手術を行い、6か月経過をみて妊娠しなければ、高度生殖医療に移行するとされています。また最近の知見として40歳以上の子宮内膜症性卵巣のう胞の数%に悪性病変が認めることがあります。昨今では40歳以上の不妊患者は増加しており、この中には、子宮内膜症性卵巣のう胞の中に悪性腫瘍の存在も意識しなければなりません。卵巣予備能を気にするあまり保存療法に傾倒すると患者の生命予後を不良にしてしまう懸念もあります。

未婚あるいは当面は挙児希望がない方(しかしいずれ妊娠を希望したい方)に手術を行ない、術後無加療で経過観察して いると、高率に子宮内膜症の再 発・再燃を起こします。こうして再発した場合は卵巣機能の低下を起こし、難治性不妊に移行してしまう例もあります。こうした事態を予防するためには、手術 後の薬物治療が必要となり、最近では(20093月現在) 低用量ピルやプロゲスチン製剤が長期継続投与可能となったのである期間服用を推奨しています

2009年8月28日投稿分

血液検査データの読み方 その1「総コレステロール」

2009年9月27日

コレステロール値は高いと危険だということばかり強調されがちですが、実は低すぎるのも非常に危険です。コレステロールは細胞膜やホルモンの大切な材料で す。低い方は、だるい、疲れやすいなどといった不定愁訴が多くなりがちです。また、血清コレステロール値が280mg/dl以上の群より180mg/dl 以下の群の方が死亡リスクが高いというデータもあります。(データ:産婦人科治療、90(4);361-367,2005)。健康に生活するために適した コレステロール値は200~240mg/dlです。あなたの総コレステロール値はどうですか?当院の血液検査でチャックしてみましょう。お気軽に医師にご 相談ください。

blog090319

2009年3月19日投稿分

禁煙薬について

2009年9月27日

禁煙薬について

医療用の新薬として5月に初の禁煙飲み薬バレにニクリン(商品名 チャンピツクス)が発売しました。
これまでの医療用治療薬は、医師の処方が必要であるニコチンパツチと、医師の処方箋が不必要な一般用のニコチンガムがある。いずれも体内にニコチンを補う ことで、禁煙に伴うイライラや集中力欠如などのニコチン離脱症状を和らげる効果があります。今回の禁煙飲み薬は脳内のニコチン受容体に作用し、神経伝達物 質のドーパミンを抑えるため、喫煙による満足感や切望感が減るため、タバコを吸つてもおいしく感じなくなります。この薬はニコチンを含まないためニコチン 代替療法が使えない患者さんも飲むことができます。服用期間は通常、12週間で禁煙開始の1週間前より飲み始め、最初の3日間は1日1錠、4日目からは2 錠服用します。いままでの臨床試験では禁煙成功率は65%です。副作用としては、吐き気、頭痛、変な夢を見る、不眠などがありますが、一過性のもので服用 を継続してるうちに改善します。また、米国では因果関係は不明ですが抑うつ気分が強まる例も報告があります。5月より医療用ニコチンパツチも一般用薬の販 売も始まり、これまでよりも気軽に禁煙治療に取り組めるようになりました。今後はニコチンガム、ニコチンパツチ、バレニクレンを上手に使い分けて禁煙治療 を行えると思います。ご希望の方は相談ください。

女性と喫煙

女性にとつてタバコは健康を害するだけでなく、美容の大敵です。スモーカーズ・フェイスや卵巣機能の低下、胎児への影響、流産率の上昇などがあり子宮頸ガン発症のリスクファクターやピルを服用しているときの血栓症を起こす危険性も高まります。

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2008年7月8日投稿分

婦人科ガン検診について

2009年9月27日

婦人科ガン検診について

婦人科系のガン検診を受けたことがない人が多くいます。日常の多忙さやなんとなく恥ずかしいなどの理由 がありますが、なんといつても受診する動機が乏しい点にあると思います。実際、当院に受診する患者さんを診ていますと、不正出血があると子宮がん、乳腺に しこりがあると乳がん等々の発想と色々な思いを巡らせて初めて受診する方が多くいます。
婦人科系のガンは定期的に検診をうけていれば、早期に発見できるものがほとんどです。自覚症状にとらわれずに定期的に検診を受けることをお勧めします。

婦人科系の検診としては、子宮頸ガン、子宮体ガン、卵巣ガン、乳ガンがありますが、いずれも生理直後にすべての検査が可能です。生理直後は子宮内膜 が一番薄い状況で子宮内の異常や卵巣の異常も見つけやすく、乳腺を観察するにも適しています。したがつてこの時期に検査を受ければ、婦人科のガン検診はす べてカーバできると考えます 時間的にもすべて検診しても20分程度です。

子宮頸ガンについて

子宮頸ガンの発症は若年化しており、20代で発症する人が増えています。理由として性交渉の低年齢化と 検診の受診率の低さにあると考えます。子宮頸ガンは性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が関与しており最近では子宮頸ガンの細胞診と HPV検査との併用がひろまつています。両者併用により;ガン検診の感度および特異度がほぼ100%になるといわれています。もちろんHPVに感染すれば 必ずガンになるのではなく、ガンは持続感染した場合のみごくまれに合併する疾患と捉える必要があります。

図 若い女性の間で増加する子宮頸ガン

hpv01s

図 HPVの年齢別感染率

hpv02s

2008年5月24日投稿分